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「お前が自分で話したくねーなら、柏木に聞いてもいいか?」
俺の質問をきっかけのように、柏木がイチゴチョコのパッケージを開けた倉田の手を止める。
「…大丈夫…自分で話すよ…」
倉田の言葉に、柏木は黙って頷いた。
「…太田とは…お互い前の会社の時の担当同士で知り合って…5年くらい…同棲していました。
だけど…太田は…浮気性で…私と暮らしてる5年の間に…分かっているだけでも5人以上の人と浮気しました…。
それでも…私…太田が見捨てられなくて…ズルズルと同棲してたんです。
だけど…私たちが一緒に暮らしていた部屋で…浮気の現場を見てしまったんです…」
ゆっくりと語る倉田の手を柏木が握りしめている。
「大丈夫よ、美穂。
藤森部長は受け止めてくれるから…」
柏木の言葉に、コクンと頷いた倉田は再び話し始めた。
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