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「だけど、それだけじゃ終わらなくて…美穂が引っ越してからも太田はストーカーみたいに必ず現れるんです。
だからつい…その…部長に会った時も疑ってしまって…あの時はすみませんでした」
ペコンと頭を下げる柏木に俺は黙って頷く。
柏木だって太田に追い詰められたのだろうから、その気持ちは分かる。
「太田は…今の美穂の住む場所にも最近また現れるようになりました。
しかもBLUE STYLEを辞めてまで美穂のいる会社に来るなんて…どこまであの男はしつこいんだか…。
アイツのせいで美穂がこんなに苦しんでるのに…」
そう言って悔しそうに唇を噛む柏木と、
ただじっとイチゴチョコを見つめる倉田の姿に、俺はもう太田が許せない思いでいっぱいだった。
けれどもうひとつ確かめなければ。そう思いながらゆっくりと倉田に語りかける。
「もうひとつ聞きたいんだが…太田はPATTYに知り合いがいるか?」
俺の質問に、少し落ち着いた様子の倉田がようやく反応を示した。
「太田のデザイン学校時代の友人がPATTYにいます」
やっぱりそうか…。
これで裏は取れた。
あとは、今夜からのウチの企画ページとPATTYの企画ページが…
もしも同じラインナップだったら…。
それは確信へと変わる。
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