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仕事が終わってやはり疲れを感じた俺は、今日も智也の店には寄らず真っ直ぐに家に帰った。
シャワーを浴びて、昨日飲み切れなかったビールを冷蔵庫から出してソファーに腰かけると同時に俺の携帯が鳴り出す。
チカチカ光る携帯を手に取って見ると、ディスプレイには槙田の名前が表示されていた。
…そーいえば削除してなかった。
そう思いつつ、電話を取る。
『藤森部長…こんばんわ。今、少しお話しても大丈夫ですか?』
「ああ、大丈夫だけど…どうした?」
『あの…太田さんの事なんですけど…』
戸惑いを隠せていない槙田の声に、再び俺の中に不安が広がる。
「ああ、今日は変な事に巻き込んですまなかったな。
お前、太田に何かされてねーよな?」
『…はい…でも…あの人…』
「うん?」
しばらく躊躇った槙田が言った言葉に俺は愕然とした。
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