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翌朝、エレベータを待つ俺に声を掛けて来たのは太田だった。
「藤森部長おはようございます」
「ああ、おはよう」
「昨日はお騒がせして申し訳ありませんでした」
「いや…」
ゆっくりと開いたドアに太田と二人エレベーターに乗り込む。
密閉された空間の中、太田が突然クスクスと笑い出した。
「なんだ?」
「…いえ…藤森部長、もう槙田さんから聞きましたか?」
「何の事だ?」
俺はあえてとぼける事にした。
昨日の事を槙田からすでに聞いているという事が太田に気づかれたら、俺と槙田が繋がっていると証明してしまう事になる。
槙田は巻き込みたくない…
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