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「そうですか…。
俺はてっきり槙田さんと藤森部長はそういう関係だと思ってたんですがね…槙田さんは藤森部長がお好きだという事はご存じなんでしょう?
あんなに綺麗な人を選ばないなんて…そんなに大切な方でもいらっしゃるんですか?」
相変わらずクスクス笑いながら言う太田に俺もニコリと微笑んでやった。
「ああ、どんな事があっても守ってやりたい女がいるからな。
そいつだけは絶対に泣かせたくねーと思ってるよ」
太田の視線と俺の視線が激しく交差した空間は、開いたドアで解放される。
コイツにだけは絶対に倉田を渡さない。
心でそう思いながら、無言のまま俺はエレベーターから降りた。
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