砂時計はかえされた。

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「チッ」 舌打ちされても、この手は離さない。 離れないようにぎゅっと銀髪頭の服を握る。 背には容赦なく痛みが走る。 「あーやっといた蒼」 「つか喧嘩中にラブシーン? 余裕だねぇ~」 「っ!お前ら……」 相手の男たちにざわめきが起こる。 声のした方を見ても、頭を殴られたせいかまともに映らない。 ただ、2人のシルエットが見えるだけ。 何が起きたの? 分からない。 分からない。 身体中が痛い。 ポンッと、頭に手がおかれる。 銀髪頭かも。 あったかい。 あぁ、痛いな…… そのままゆっくりと瞼を閉じていった。
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