言えない、よ。

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「新郎様、隣でお召し替えを」 「あぁ」 「新婦様はこちらで。 メイクもしますので」 「グズ、はい、泣いちゃってごめんなさい」 「いえ、新郎様から主旨は伺っていますので」 椅子に座ると、涙をぬぐう。 プロの手によって髪やメイクが施される。 そして、ドレス。 フワッと裾が広がったドレス。 私が言ってたのと似てる。 プリンセスラインのドレス。 「スッゴクお似合いです。 新郎様のお見立ては素晴らしいですね」 「蒼くん?」 「えぇ、新郎様がお選びになったんですよこちら」 「っ」 ヤバい、また泣きそう。 今泣いたらメイク崩れちゃう。 「あら?少し緩いようですね」 「あ、ちょっと……」 「大丈夫ですよ。少し詰められますから」 二人かかりでちょっといじられる。
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