砂時計はかえされた。

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1-4 クラス番号のかかれた札は曲がってる。 いいのかな、直さなくて。 うーんと背伸びをするけれど、届かず断念。 あとで誰かにお願いしよ。 席は自由みたい。 適当に空いてる席に座る。 隣には緑の髪の人。 机に突っ伏して寝てるみたい。 さっき入学式で隣だった人だ。 何故かこの人の周りの席は空いてる。 「あー、ここの担任の柿谷だ。 自己紹介はしないぞ。 今日は解散」 え、早くない?! でもそう思ってるのは私だけみたいで。 あっという間にクラスの人はいなくなった。 残されたのは私と隣の人。 うーんと、起こした方がいいのかな? 「もっしもーし。起きてー?」 ユサユサと揺すって起こす。 しばらく揺すっても起きなくて。 ムッとしてもっと強く揺らす。 「おーきーてーっ!」 「うっせぇ!」 「あ、起きた!」 「はぁ?つか誰だよ?」 「私?私は柚木 まりあ」 「んで?何のよう?」 「もう帰っていいって」 「あ?」 そこでやっとクラスの人がいないことに気づいたみたい。 「……あー、サンキュ」 あ、ちょっと照れてる? 可愛い~♪ じっと見ればすごい可愛い顔してる。 うん、イケメンっていうより美少年って感じ。 頭は緑だけど。
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