砂時計はかえされた。

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「なに見てんだよっ!」 「っ可愛い! ね、名前何て言うの?」 「はぁ?!」 若干引いてる緑頭くんににじりよる。 絶対お友だちになりたい! こんな可愛い子滅多にいない! 「……お前俺のこと知らねーの?」 「?? うん。 もしかしてさ、モデルとか芸能人とか?!」 この顔ならやっててもおかしくない。 「ちげーよ!」 「ぅ、いったーい!」 結構本気で言ったのに。 思いきりチョップ食らった。 スッゴク痛い。 「ふぇ、痛い……」 「あ、おい?!泣くなよ」 慌て出した。面白ーい。 泣いてないもんねーだ、でも。 どうせなら騙そう♪ 「ふぇえ、名前教えてくれないのー?」 「教える!教えるから泣くな!」 「本当に?」 泣き真似をやめてけろっとすれば。 呆れたような目を向けられる。 む、ひどい。 「俺は二葉 陽太(フタバ ヒナタ)」 「陽太くん!名前もぴったりだね! これからお友だちになってくれる?」 「……お前本当に知らないんだな」 「何を?」 こてんと首を傾ければ。 陽太くんの頬に赤みが指す。 「ん?どうしたの?」 「いや」 「あ、そうだ!」 ぐいっと陽太くんの腕を引いて教室の扉に向かう。
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