砂時計はかえされた。

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「陽太くん陽太くん」 「んだよ」 「これ直して?」 指差すのはクラス番号の札。 陽太くんならきっと届く。 「あ?ほっといていいだろこんなもん」 「直してーお願い!友達でしょ?」 「……あー、もうめんどくせーなお前」 そう言いながらもきちんと直してくれる。 「ありがとう!」 「はいはい」 席に戻って鞄を手にする陽太くんの袖を引いて。 チュッ 「お友だちになってくれてありがとう! これからよろしくね♪」 私も鞄をもってスキップで教室をあとにする。 えへへ。 友達一人できた~♪ 明日からが楽しみだな♪ 「……なんだあの女」 教室では陽太くんが呆然としているとも知らずに。
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