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――帰国し真っ直ぐ葉月の家に向かった俺は、一年八ヶ月振りに美優と再会した。驚かせたくて、美優には事前に知らせてはいない。
ウッドデッキで太陽の陽を浴びながら、ベンチに寝転ぶ美優は、キラキラと輝いて見えた。
少し大人になった美優。
綺麗に…なったな。
すぐに抱き締めたかったけど、美優は俺を空翔と勘違いした。確かにスーツに黒髪は、俺らしくねーけど、俺と空翔を見間違えるなんて、ふざけてるよな。
だから俺は、空翔の振りをした。軽い悪戯、美優へのお仕置き。
美優は俺を空翔だと思い込み、『あたしは…海翔が好きなの』と、予想外の告白。
嬉しくて、飛び上がりたい衝動を抑え、おじさんの書斎に向かい挨拶をする。
さんざん飛行機の中で、挨拶の練習をしたんだ。パーフェクトな俺を、おじさんも美紅さんも空翔だと思い込んだ。
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