4021人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「ごちゃごちゃうるさいよ、一度体を重ねた関係なのに」
わ!
視界が一瞬ぐらつく。
バタン。
扉が閉まる。
……1人の侵入者を許して。
「……ちょっ!」
気付くと眼前に時峰のネクタイ。
いつの間にか、事も無げに、時峰に抱き締められていた。
「はいはい、いいから。
いい加減観念して」
私の頭をポンポンとしてなだめる。
「も、こういう不純異性交遊は……、私っ」
「はは、なんか先生みたい、センセ」
この前も聞いたセリフ。
頭を撫でながら、ケタケタと緊張感の無い笑い声。
頭上に時峰の吐く息の温度を感じる。
……脱力。
時峰から香る甘くて上品な匂いに、私は先週よりも早く白旗を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!