4606人が本棚に入れています
本棚に追加
外に出るのが億劫になったので、時峰の家の冷蔵庫にあるもので適当に料理を作った。
「やっぱ、授業してるセンセ、かっこいいね」
「は?」
食べながら、急に時峰が言う。
「見てた。
この前鍵返してもらいに行った時。
外からちらっとだけど」
「あ、あぁ……。
すぐ帰らなかったんだ」
恥ずかしい。
「うん。
この前愚痴ってた高山って奴も、多分あれかなーって分かったよ」
「えっ、ウソ?」
「あれでしょ?
あの小太りメガネでしょ?」
「そう……。
よく分かったわね」
「センセの話聞いてたら分かるよ」
ちょっと嬉しい気持ちになった。
どの人か分かるくらい、ちゃんと私の話を聞いてくれているということに。
最初のコメントを投稿しよう!