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チーン。 8階に着き、いつものように自分の部屋へ向かう。 チーン。 「ん?」 802号室を通り過ぎ、ちょうど自分の803号室の前に来た時。 エレベーターから降りる2人組の足音と影に気付いた。 角を曲がり、こちらへ向かってくる。 「……あ」 すぐに分かった。 時峰だ。 ダークグレーのスーツに、白いシャツ。 光沢のあるダークブラウンにシルバーのドットの入ったお洒落な細身のネクタイ。 髪も軽く固めて、私と会う時とは違う余所行きの顔に見える。 ――と。
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