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……童顔で可愛らしい、でも芯のありそうな女性。 黒いワンピースにベージュのカーディガンを羽織っている。 童顔というのは歳不相応な幼い顔に対して言う。 実際に若い、と思わなかったのは、スレンダーながらも成熟した大人の風格を体がまとっていたからだ。 若い子には無い、落ち着いた色香。 子供を産んだことのあるような体というべきか。 確信ではないが、女特有の直感で何故だかそう思った。 2人は言葉少なに通路をこちらへ向かってくる。 当たり前だ。 時峰の部屋はこの隣なんだから。 ガサ、ガチャ、カチャ。 慌ててバッグから部屋の鍵を出そうとする。
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