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時峰だっていい歳の男だ。 例の片想いの人であろうがなかろうが、それなりにいろいろあるだろう。 彼女を作れないではなく、……作らない男。 それがどういうことを意味するのか、負けずにいい歳の私には充分分かっている。 分かってはいるが……。 ――どうしてさっき無視されたことがこんなにも胸にひっかかるのだろう。 どうしてあの可愛らしい女性がこんなにも気にかかるのだろう。 「……ふふ」 可笑しい。 何が可笑しいのかも分からないが。 冷静になろうと、バッグを置き、部屋着に着替え、オイルクレンジングで顔をくるくるマッサージする。 バシャバシャと顔を洗って、麻呂みたいな顔でソファに勢いよく座る。
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