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なんだろう。
このグネグネした蛇のように胸にまとわりつく黒い気持ち。
自分の心地良い居場所を侵されたような敗北感。
時峰にとって私は、身近にいて手っ取り早く性処理できる都合のいい相手。
私にとっても時峰は、話を聞いてくれて1週間で溜まったストレスを流してくれる都合のいい相手。
何より、彼氏がいる私にとっては浮気相手。
そんなお互いの利害が一致したベストオブ都合のいい相手に、なんでこんな気持ち……。
「陳腐なヤキモチだわ」
力無く、ふふ……、と笑う。
「バカみたい……」
おもちゃを取られた子供の気持ちと一緒。
仲良しの友達が他の子とペアを組んだ時の気持ちと一緒。
ヤキモチは認めるけど、これは特に名付けるほどの無い感情によるヤキモチ。
私は、そう勝手に納得することにした。
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