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火曜日。
カラカラカラ。
仕事から帰り、ベランダのハーブに水やりをする。
既に日は変わって真夜中。
「寒くなってきたな……」
秋に入り、朝晩が冷えるようになってきた。
さすがに長袖のパーカーを羽織りながら、葉っぱに手を触れる。
「はは。
相変わらず独り言デカ……」
ふいに聞き慣れた声がした。
はっとベランダの手すりの方へ顔を上げる。
いつかと同じように、煙草の煙が一筋、隣から流れてきているのが見えた。
「……」
ベランダ用のサンダルで足を踏み出し、手すりを握りながら隣のベランダを覗き込む。
「こんばんは」
時峰が手すりに前のめりになって煙草を持つ手を上げた。
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