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時峰は夜景を見ていた目をこちらへゆっくり向けた。 無表情のような、でも少し笑ってるような唇で、 「さぁ?」 と、短く返した。 ……はぁ。 ほら、やっぱり、惨めな気持ちになった。 「ふーん」 時峰からこれ以上は超えるなラインを引かれているのが伝わってきて、それだけ言うのがやっとだった。 「センセーさ、俺のこと好きなんじゃない?」 急に声のトーンを変えて、時峰が私の部屋との境の壁に寄ってきた。 お互い手すりから突き出している顔がぐんと近付く。 私の目を覗き込み、いつものからかうような顔。
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