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カツカツ……。 猫でも通ったのかな? 一応、玄関の外まで見に行く。 「綾川センセ」 「ひっ」 急にコソコソ話のトーンで名前を呼ばれて、思った以上にびっくりしてしまった。 「こっち」 声の出所を探すと、駐車場に見覚えのある白のステーションワゴン、その裏に隠れてスーツ星人の姿。 「なっ、時峰く……」 「見られると問題でしょ? こっち周りから見えないから」 は? 何? 何の用……「あ!」 時峰のすぐそばまで行くと、ようやく思い出した。 「俺、どうやって部屋入ればいいわけ?」 時峰が呆れた顔で上から見下ろす。 朝、メモを見たにもかかわらず、時峰の部屋の鍵、カバンの中に入れたままだった。
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