4606人が本棚に入れています
本棚に追加
カツカツ……。
猫でも通ったのかな?
一応、玄関の外まで見に行く。
「綾川センセ」
「ひっ」
急にコソコソ話のトーンで名前を呼ばれて、思った以上にびっくりしてしまった。
「こっち」
声の出所を探すと、駐車場に見覚えのある白のステーションワゴン、その裏に隠れてスーツ星人の姿。
「なっ、時峰く……」
「見られると問題でしょ?
こっち周りから見えないから」
は?
何?
何の用……「あ!」
時峰のすぐそばまで行くと、ようやく思い出した。
「俺、どうやって部屋入ればいいわけ?」
時峰が呆れた顔で上から見下ろす。
朝、メモを見たにもかかわらず、時峰の部屋の鍵、カバンの中に入れたままだった。
最初のコメントを投稿しよう!