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水曜日。
夜8時前。
コン、コン……。
いつものようにノックの音。
一度きり。
「……」
あぁ、分かってるんだ、時峰は。
私がドアを必ず開けるってこと。
静かにドアを開ける。
相変わらず不敵な笑みの時峰。
「こんばんは」
先週会ったのになんだかとても久しぶりな気がする。
私は何か眩しいものを見るように目を細める。
手を引かれて、隣の802号室へ連れ込まれる。
ガチャリと響く鍵の音。
「食事前にちょっとだけ、い?」
クスクス笑いながら、首にキスする時峰。
「ダメって言ってもするんでしょ?」
「分かってるね、センセ」
私はもう、拒まなかった。
ゆっくり体を倒される心地良さに、そのまま従った。
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