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「俺、帰るわ」
「え?
あ……。
ちょっと待ってよ、圭太」
自分で引き止めておきながら、何も言葉が続かない。
だって弁解できることが何もない。
圭太の言っていることは全て的を得ている。
そんな私を見て、圭太はふっと微笑んだ。
「お互い気持ちの整理して、それでもまだ言いたいことがあったら、その時に会って話そう。
今は俺、正直仕事も上手くいってないし、泉を思いやれる自信もない。
勝手だけど、ごめん、泉」
「あ……。
……うん。
わかっ……た」
こういう時に限って涙も出ない。
それほど、私達の仲って修復不可能、手遅れ状態だったんだ……。
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