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「……」
閉まった隣の部屋を見つめ、私もすぐにドアを閉めた。
途端。
いろんな感情と疲労が、足の先から頭の頂までぶわっと駆け巡った。
すとん、と、サンダルも脱がぬまま、玄関用ラグマットに両膝をつく。
ああ。
私、何か、大きな、ホントに大きな間違いをしてはいないだろうか。
別れようと言った圭太。
それを受け入れた私。
時峰のことだけが問題じゃない。
いつからボタンを掛け違えていたのか。
どちらが先に恋愛感情を手放したのか。
「うっ、……ふ、うぅ……」
……さっきは出なかったのに、今更流れるこの涙は何なのか。
2年以上のつきあい。
別れはこんなに簡単で、すぐ近くにあった。
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