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次の水曜日。 あれから1週間経った。 いつもよりかなり長く感じた1週間だった。 圭太とはあれ以来連絡を取っていない。 急なことで心の整理ができないのか、そのことに関して深く考えることを、脳が、体が拒否していた。 ただ、今の現状は……。 28歳。 1人暮らし。 彼氏無し。 年下の元教え子に報われない片想い中。 ……という、何とも無謀で不毛な状況。 独身30代突入という筋書きが、以前にも増してかなりリアルに見えてき出した。 ――コンコン。 「……」 気付けば夜8時前。 この時間帯。 インターホンではなくノック。 ……水曜日。 時峰……だ。
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