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握った私の腕を引き寄せたかと思うと、抱き締めたついでに首にカプッと噛みついてきた。 クスクス笑いながら強引に腰を引き寄せる時峰。 ああ、クラクラする。 天井が、壁が、回る。 決してキスなんかしない。 それでも、私を上手にその気にさせる。 「時峰君、玄関、……ここ」 「そーだね」 腰を持った手と反対の手を、カットソーの中へするりと忍ばせ、素肌をなぞるようにくすぐる。 ブラのホックを手際よく自然に外し、背中からわき腹へ、わき腹から前へ、焦らすようにゆっくり指を遊ばせる。 今まで何度も体を重ねたはずなのに、恋愛感情を自覚した私の心臓は早鐘のように鼓動を打つ。 「も……」 抵抗するふりはしてみるものの、その力はままごとのように弱い。 時峰にもバレバレだ。
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