9-2

9/16
前へ
/38ページ
次へ
「会ってても、電話で話してても、……なんか、1歩引いて会話してるような感じだし」 「……」 「泉が俺のこと気遣ってくれてるのは分かるんだけど、同時に興味も薄れてきてるのが分かるんだ。 会いたいとも言ってこないし、いつもただ俺の話聞いてるだけで踏み込んでもこないし」 ふーっと顔を下に向ける圭太。 私はただ、ただ、圭太の話を聞いている。 「そして、俺自身もそれに甘えて、泉のことほったらかしにして……。 そんなんでなあなあになって、なんか、つきあってる意味あるのかな、って」 確かにそう。 つきあいが長くなればなるほど、お互いこう言えばこう思うっていうのが解ってくるし、仕事の大変さも理解できるから、衝突を避けるためにあまり突っ込まなくなる。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3708人が本棚に入れています
本棚に追加