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「痛いっ!
痛いってば、時峰君」
引っ張られて、もつれながら靴を脱ぐ。
一歩上がるや否や、時峰が廊下の壁に体を押しつけ、逃げられないように顔を挟んで両手をつく。
「ね、なんでセンセー、いつもわざと小さな抵抗するの?」
まだ電気もつけていない。
真っ暗な中、時峰が私の耳をベロンと舐める。
「やっ、わざとって……」
片手で顎を固定させられる。
時峰、珍しく酔ってる。
力がいつもより強い。
「どうせ後からノッてくるくせに。
めんどくさいから最初から力抜いてくれない?」
クスクス笑いながら額をつけ、唇同士が触れるか触れないかの距離で囁く。
今日はなんだかいつもと違う。
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