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「ま、っ真っ暗……」
気持ちを紛らわすために声を出す。
いつもなら仄かな照明がついている。
「……うん。
つけて欲しいの?電気。
明るい方がい?」
「ちがっ……。
私を誰かと重ねるつもりかな……と思って」
そんなの嫌だ。
いくら時峰が苦しくて悲しくてたまらなかったとしても。
……絶対嫌だ。
「ふっ。
しないよ、そんなこと」
時峰は私の鼻をつまんだ。
「だって、時……」
「うるさい、センセ」
「んっ」
鼻から離した親指と人差し指を今度は口に入れてきた。
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