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「う……、ぅあ……あ……」
そんな勝手なことしないで。
涙がボロボロと落ち、ジーンズの上にシミを作る。
これ以上、時峰をかき乱さないで。
時峰を……、盗らないで。
盗らないで。
盗らないでよ……。
「っくぅ……、ひっ、……ひぃっ」
嗚咽にまみれる。
顔を覆う両手の隙間から止めどなく涙が落ちる。
怖い。
……怖い。
彼女と再会する時峰。
そしてその先。
私はもう、以前のような互いに利害しか考えない、心の伴わないセフレには戻りたくない。
戻れない。
だってもう既に独占欲の塊。
私以外の誰かを抱く時峰を、どうしても、どうしても想像したくない。
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