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鏡をしばらく見つめたままぼーっとする。 私だって、美人と言うのはおこがましくても、そこそこだと思う。 私だって……。 コンコン。 ビクッとした。 振り向き、直接には見えない玄関を凝視する。 ……コン、コン。 催促の音。 インターホンじゃなくノックをするのは、……時峰、ただ1人。 痺れた足でゆっくり立ち、1歩1歩玄関に向かう。 コン、コン。 再度催促のノックの音がする。 どうしよう。 ドアを開けて、もし、彼女が隣りにいたらどうしよう。 時峰と2人、笑顔で挨拶でもされたら、私は一体どんな顔をすれば……。
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