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……ガチャ。
キィ……。
「遅いんだけど。
開けるの」
ドアを開けた途端、時峰がドアを無理やり大きく開き、ついでにスーツの足も入れてきた。
「わっ」
バタン。
いつもと同じように、いつの間にか玄関に侵入し、後ろ手でドアを器用に閉める。
「ただいま」
既に抱き締められていた。
スーツに染みついている微かな煙草の香りと、時峰の香水の匂い。
ああ時峰だ、って体中の細胞が歓喜の声を上げているみたいになる。
「と、時峰君の家じゃないし」
腕の中でいつものように可愛くないことを言う。
「そーだったっけ?」
いつもの不敵な笑みで上から見下ろす時峰。
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