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「センセ。
強がるの悪い癖だって何回言えば分かるの?
強いってことだけが正解じゃないよ」
時峰が年下のくせに説教する。
諭すような目でテーブルの向かいの私を射抜く。
分かってるよ。
でも、そういう話じゃないの。
「ここまできて、まだ、弱いとこ見せられない?
俺に」
だから。
そんな優しいこと言うから。
余計涙がこぼれそうになる。
「――あっ。
そう!
そうなの。
仕事でちょっと嫌なことがあって」
「何があったの?
言ってみて」
時峰は顔色を変えずに私を見続ける。
嘘でも言ったらすぐにでもバレそうな眼差し。
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