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悪い方へのシナリオが次々と頭に浮かんで、焦りと不安だけが募る。
冷静になるために、ちょっと時間を貰わなきゃ。
「じゃ、ちょっと出てくる」
足早に玄関まで行き、掛けてある家のキーを取った。
ガチャ。
勢いよくドアを開ける。
「っ!!」
――驚いて死ぬかと思った。
3時間前と同じ光景が視界の中に無理やり割り込んできたから。
「……あ」
……ユキって人。
彼女は、さっきと同じ場所でさっきと同じ姿勢でさっきと同じように、隣の家のインターホンを押していた。
私は硬直する。
ドアを開けたポーズのまま、完全に固まる。
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