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妙なことで、ここに来てようやく冷静に考えることができる。
……何で私だったのか。
時峰ほどの男なら、他にも割り切った体の関係になれる女がいたはずだ。
本気になられるから嫌だと言っても、そんな女ばかりとは限らない。
ゲームのようにスポーツのようにセックスできる人間は、男でも女でも、必ずいるし。
……それなのに、何で私だったのか。
性格も素直じゃない、スタイルもそれほど良くない、事に及ぼうとしても暴れる、……そんな私だったのか。
『声我慢しなくてよかったのに』
『センセ、いいって。声出して』
『ハッ、出せるんじゃん、いい声』
『今日もいい声聞かせてね、センセ』
『もっと出して、声』
セックスの最中、何かと声に関して言っていた時峰。
そして、私の声にそっくりなユキって女性。
「……」
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