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『声』、……だ。 ただそのメリットのためだけに、時峰は……。 「うっ」 気付いた途端、吐き気をもよおした。 思い切り笑い合った日。 思い切りムカついた日。 思い切りグチった日。 思い切り愛し合った日。 ダメだ。 考えるな。 考えたら、私の中の何かが壊れる。 ……私が弱さを見せた時。 時峰が弱さを見せた時。 幸せだって、心から思っていた時。 ダメ。 考えちゃ。 考えたら……。 『時峰は、ずっと、ずっと、私を違う誰かと重ねていたんだ』
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