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「あっ、あ、……っ。 わ。 あっ……。 ああああああああーーーーー」 途端にシンクから崩れ落ちる。 手に泡が付いたまま、そのままキッチンマットにひざまずく。 信じられない。 信じられない。 信じられない! 最低。 本当に最低。 バカだ。 私も、時峰も。 男と女は、みんなバカだ。 男は私欲実現のために。 女は必要とされていると自己催眠するために。 甘く語らい、体を重ねる。 なんだ。 愛なんて無いじゃん。 震えるほどの幸福感も、蓋を開けてみれば、ただの自己暗示と自己陶酔のかたまりじゃない。
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