3323人が本棚に入れています
本棚に追加
好きだと言われたこともない。
いくら思わせぶりでもそれは受け手の問題で、当人がそれを否定すればただの自分の独り相撲。
そう……、独り相撲だったんだ。
全部。
「……」
……よかった。
盲目的な勢いで来週告白するところだった。
よかった。
悲惨な振られ方をする前に、こうやって気付けて。
よかった……。
ホント、……よかった。
「っ……」
本当に恋をするとこんなふうになるんだ、私。
まだ少し嗚咽の残る私を、第三者の目で見ている私がいる。
その日、時峰は私の部屋には戻ってこなかった。
最初のコメントを投稿しよう!