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背筋に大量の虫がすごい勢いで這い上がってきたかのような壮絶な悪寒が走る。 隣の家の前に、人が立っていたからだ。 薄い紫のマーメイドスカートの裾が揺れる。 肩に付くか付かないかくらいのストレートの黒髪。 大人っぽさを纏いながら、顔は綺麗と可愛いを併せ持つ、透明感のある女性。 ……時峰が、何枚もスケッチせずにはいられなかったほど、芯があり、美しい女性。 おそらく、ユキ、という名の女性……。  
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