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私も、美波も一瞬その人を見たまま固まってしまった。
「……あ。
こんばんは」
その女性は軽く会釈をした。
「こんばんは……」
私も美波も挨拶を返す。
一瞬、不思議な感覚が私を襲った。
上手く説明できないけれど、なんだか変な感覚。
初めて言葉を交わしたのに、何故かこの声を知っているような……。
美波が私の顔を見た。
美波も何故か妙な顔をしていた。
バタン。
自分の家の扉を閉め、彼女の横を通り、エレベーターへ向かう。
無言でボタンを押して、エレベーターに美波と共に乗り込む。
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