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ユキは、一言で言うと世間知らずな箱入り娘。 料理や家事は得意な方ではなく、これで34は正直どうなのかと心配になるほど。 ただ、仕事に関しての自信とやる気は、父親譲りなのか、凄まじいものがあった。 自分が気後れしてしまうほど、彼女の感性とクオリティの高さには目を見張るものがある。 それも俺を惹きつける魅力の一つだったのかもしれない。 溺れた。 ユキの仕草や、声や、髪。 笑顔や、体や、輪郭や、言葉。 会社では会えるけれど触れられない。 家に怪しまれないように、夜は月に1回会えるか会えないかの関係。 恋焦がれて、どうしようもなかった。
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