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『好き』という言葉も、『愛している』という言葉も、『ずっと一緒にいたい』という言葉も。 俺もさんざん言ったし、ユキもさんざん言った。 でも、正直、キツかった。 いくら体を重ねても、愛を語っても、そして愛を返してくれたとしても、スルリと俺の腕を抜けて帰るユキ。 完全に自分のものにならない焦燥感が、逆に想いを募らせ、眠りを妨げ、俺の体と心をくすぶった。 別れは突然だった。 会社を辞めたと同時に連絡手段も絶たれた。 到底納得できなかった。 何度も何度も、軽く引くくらい電話をかけ続けた。 留守電に何件も入れたし、メールもした。 潔くなんてできない。 女々しいことを片っ端からした。
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