19

2/6
前へ
/40ページ
次へ
「見て見て! こんな家、良くない?」 ソファでワインを飲みながら、ユキが昼の間に描いた家の平面図や立面図、外観のイメージを見せる。 「うん」 正直言って非が見つからない。 「ここはね、こうなってて……。 明日、CADに起こしてみようかなぁ」 楽しそうに説明するユキ。 仕事が出来ないうっぷんを、昼間に図面用紙やスケッチブックにぶつけている。 ホントに好きなんだな。 と思う。 「ユキ……」 横で笑っているユキの肩をこちら側に寄せる。 「何?」 ユキは話の腰を折られたことをさほど気にしていない様子で、俺の目を見る。 「今、幸せ?」 「そうね。 時峰君が思っているのと同じくらい」 少し意味深な答えと笑みを返すユキ。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3355人が本棚に入れています
本棚に追加