19

4/6
前へ
/40ページ
次へ
汗ばむ体。 洩れる吐息。 薄暗い夜に溶けていきそうだ。 自分と相手の体と、この研ぎ澄まされた快感。 それだけが浮き彫りになり、周りは残像だけ残して早送りになる。 ぐるぐると天井が上に行ったり下に行ったり。 ワイン飲み過ぎたな……。 そう感じながらも、壊さんばかりにユキに口づけ、互いの体の隙間を埋める。 「んっ。 ……あ、ぁあっ。 時……。 時峰く……」 俺を呼ぶ声。 甘い声。 苦しくて助けを呼ぶ声でもあり、ただひたすら求めて、せがんで、請う声でもあり……。 頭が痺れて、体が吸い込まれそうになる。 「セン――」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3355人が本棚に入れています
本棚に追加