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彼との思い出は記憶の瓶の中に押し詰めている。
開くことがないように。
きつく、きつく、蓋をして。
苦くて重い、その液状だか粉状だか分からないものは、きっと時間と月日が醸造してくれる。
10年くらいして開けたら、きっと若くもないのに若気の至りだったと、笑って懐かしむことができるはずだ。
今はまだ、とても、開けられないけれど……。
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