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「じゃあ、お先に失礼しまーす」
その夜。
一番先に校を出たのは水野さんだった。
お疲れ様でーす、という他の講師の声に紛れて、私も帰ることにした。
「私も、お先に。
お疲れ様です」
軽く頭を下げ、講師室から出て、裏口へと廊下を進み、外へ出ようとドアに手をかけたその時。
バンッ。
先に出たはずの水野さんが外から中に慌てた顔で戻ってきた。
驚いて心臓止まるかと思った。
「び、っくりしたー……。
もう少しで当たるとこだった。
……忘れ物?」
「綾川先生!
すみませんっ!
駐車場に、めっちゃ、っめっっちゃイケメンがいて、私、驚いちゃって」
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