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どうしよう。
……どうしよう。
会ったら、とか。
もし会ったら、何を話そうとか、どんな顔で話そうとか、全くシュミレーションしていない。
……嫌だ。
怖い。
自分がどんな風になるか分からない。
……逃げたい。
逃げたい!
下を向きながら、水野さんのコートをぎゅっと握る。
真冬なのに、私のこめかみを冷たい汗が流れた。
駐車場と予備校の間。
上は夜空。
下はコンクリート。
……カツ。
足音が最大級になって、ピタリと止まる。
コンクリートが映る私の視界に、ブラウンの光沢のある靴が侵入した。
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