25

19/27

3265人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
まくし立てて喋り、時峰に会話の余地を与えない。 傷付きたくないから。 思い出したくないから。 その一心で。 「元気そうだね」 時峰が目を細める。 「元気元気! 仕事も上手くいってるし」 「彼氏も元気?」 「うん! もちろん」 「そう」 「そうよ」 真っ直ぐ目を見て、笑顔でためらわず嘘をつく。 時峰はハハッ、と髪を掻き上げ腰に手をあてて笑った。 「そっか……」 「何か?」 「いーえ」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3265人が本棚に入れています
本棚に追加