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まくし立てて喋り、時峰に会話の余地を与えない。
傷付きたくないから。
思い出したくないから。
その一心で。
「元気そうだね」
時峰が目を細める。
「元気元気!
仕事も上手くいってるし」
「彼氏も元気?」
「うん!
もちろん」
「そう」
「そうよ」
真っ直ぐ目を見て、笑顔でためらわず嘘をつく。
時峰はハハッ、と髪を掻き上げ腰に手をあてて笑った。
「そっか……」
「何か?」
「いーえ」
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