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車から降りて、エレベーターに乗り、8階を押す。
……寒い。
なんか、温かいもの飲まなきゃ。
8階に着き、自分の部屋へと向かう。
カツ、カツ、カツ……。
カツ……。
「鍵……」
部屋の前でバッグの中から鍵を探す。
「あった」
カチャンッ!
手が滑って鍵が落ちた。
はぁ。
また溜め息をつきながら、鍵を拾う。
「……」
ガチャ。
キィ……。
ふいに802号室の扉が開く。
私は拾った鍵を自分の家の鍵穴に差し込んだ状態で、手を止めた。
いや、止めたのではなく、止まった。
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