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カツ、カツ、カツ……。
いつもより早歩き。
じんわり鼻の奥が痛くなる。
ダメだ。
まだダメ。
……泣いちゃ、ダメだ。
「センセー」
ジャリ……。
多分時峰が私の方へ振り返った音。
どんどん離れていく私の後ろから話しかける。
「……」
私はもう既に崩れかけている顔を見せたくなくて、そのまま足を進めた。
「今から飲み行かない?」
「……」
何?
その、軽い誘い文句。
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