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少しの沈黙。 冬の冷たい風が吹きつける。 ジャリ……、と地面の小さな石ころが時峰の靴の下で音を立てた。 パタパタと背広が何度もひるがえる。 「髪、伸びたね」 顔を斜めにして、微笑みながら手を伸ばす時峰。 パッとその手をかわす。 触らないで。 「うん。 結構ね」 今日たまたま下ろしたままだった髪。 風に舞い踊り、作り笑顔の私の顔を隠す。 「……」 「……」 やだ。 ジワジワと惨めな気持ちが忍び寄る。 思い出の数々が、もう眼前に溢れる直前。 早く、早く時峰から離れなきゃ……。

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